ホームスクーリングって、大変?子どもとずっと一緒でイライラしない?子どもはしっかり育つ?
理由があってホームスクーリングを検討しても、そんな疑問がモクモクとわいてきていませんか。
学校に行けば、9時から3時までは子どもと離れていますが、ホームスクーリングをすると24時間ずっと一緒になので、かなりの覚悟がいりそうですよね。
この記事では、そんな疑問や不安にお答えするために、オーストラリアで小学生のホームスクーリング4年目になる私のママ視点から、オーストラリアのホームスクーリングの現状と、メリット・デメリットをお伝えします。
オーストラリアでホームスクーリングをしたいけど今一歩踏み出せないというママさんのお役に立てたら嬉しいです。
オーストラリアの小学生ホームスクーリングの現状
私たちがホームスクーリングを始めたきっかけは、2019年の流行病の流行で、学校の過剰な規制を理解できず、学校制度そのものに疑問を持ったことでした。
学校の規制はどんどん強まり、結局2020年の4学期に私たちは子どもたちを学校から退学させ、ホームスクーリングを始めました。
オーストラリアではホームスクーリングが義務教育として認められていて、ホームスクーリングをする家庭の数は年々増えています。
ここでは、オーストラリアのホームスクーリングの現状がどんなものなのか、なぜホームスクーリングをする家庭は増え続けているのか、社会的にはどう認識されているのかを見ていきたいと思います。
社会的認識
私たちがホームスクーリングを始めたとき、まわりの人たちは不思議がりました。
私たちの住む街はとっても田舎なので、余計に目立ったようです。ホームスクーリングをしている家庭はいまだにわが家ぐらいです。
ただ、前でも少し触れましたが、オーストラリアではホームスクーリングが合法なので、後ろめたさを感じることもなければ、引け目を感じることもありません。
2019年から2024年までの間に、ホームスクーリングに登録している家庭は2倍になったそうです。
現に、この田舎街にはホームスクーリングをしている家庭はなくても、「私の義理姉が子どもたちをホームスクーリングをしている」とか「友達がホームスクーリングをしている」なんていうのもよく聞くようになりました。
ホームスクーリングは学校の勉強とは違い、子どものレベルに合わせてかなり柔軟に学習させることができるので、学校の勉強についていけない子どもは、水を得た魚のようにイキイキとするケースも多いです。
また、今はホームスクーリングをするうえで必要な教材やサポートが豊富にあるため、ホームスクーリングを検討したときに躊躇しなくてよいのも、理由の1つです。
最近では、少し大きい街に行くと、学校のある時間帯にお母さんんと一緒に買い物をしていたり、公園にいたりする子どもをよく見かけますが、きっとホームスクーリングをしているんだろうな、勝手に親近感を感じています。
コミュニティの成長
オーストラリアのホームスクーリングに登録している小学生の家庭が年々増加しているのは、田舎街に住んでいる私でも分かります。
それは、ここ1∼2年でホームスクールコミュニティに来る人が増えたからです。ホームスクーリンググループやキャンプに行くと、最近ホームスクーリングを始めたという人がとても多く、ホームスクーリングコミュニティの成長をヒシヒシと感じています。
「一度ホームスクーリングをすると、もう普通の学校生活には戻ろうと思わない」というホームスクーリングママがは多いですが、よく分かります。ホームスクーリングは慣れてくると、子どもとの時間が尊くなってきます。
2020年をさかいに一気に増加したホームスクーリングですが、このまま増加し続けるのか、それとも一時的なものなのか興味深いところです。
オーストラリアの小学生ホームスクーリングのメリット
オーストラリアで小学生のホームスクーリングをするメリットを私の体験と個人的な意見からお話します。
- 子供と価値観を共有できる
子供と話す時間が増えるので、親の価値観を伝えるチャンスが増えます。
子供たちがまだ小学校に通っている時は、朝はもちろんの事、学校から疲れて帰ってくると、ソファーに座ってテレビをぼーっと観るのが習慣だったので、話をする時間はほとんどありませんでした。
私は先生方の「他の子と違うことをするのは悪」な姿勢もとても嫌で、子供たちにその価値観が徐々に浸透してしまうことを心配していました。
今は子供たちとよく話し、意見を言い合えるので、家族の価値観を共有できていると感じでいます。これはホームスクーリングをすることの1つのメリットだと思います。
- 親と子ども、姉弟たちの距離が近づく
子どもたちと話す時間が増えるので、自然と距離も近づきます。
子どもたちが今好きなことや、勉強していることなどもすぐにわかるので、子どもたちの理解者として距離が縮むのは当然の事でしょう。
姉弟がいる場合は、子どもたち同士の仲が良くなるのも、目に見えて実感します。 - 子供が学校でのいじめやストレスから解放される
これは大きいと思います。直接的ないじめの被害を受けていなかったとしても、どこかしらでいじめは起きていますし、それに巻き込まれないようにする子供たちのストレスは膨大だと思います。
また、先生からの期待や、友達関係などのストレスも大きいと思います。近年増えている不登校はこういったストレスに耐えきれなくなった子供たちが増えている背景にあると思っています。
悲しいことに、いじめはどこの国でも、いつの時代でもあるんですね。
- 子供がイキイキする
「夜早く寝て、朝ゆっくり起きて、せかされずに一日を始められる。」
「他の人に邪魔されずに自分のペースで勉強を進められる。」
「自分の興味のあることを勉強できる。」
こんな環境で子どもたちはイキイキと過ごしています。 - 子供が自主的に動くようになる
一日のスケジュールが分かっているので、親が言わなくても自主的に動くようになります。
たとえば、わが家の小学校3年生は、時間になると水泳のトレーニングに行く準備して、トレーニング後に食べるおやつを持って、車に乗り込みます。 - 朝の準備にせかさなくてよい
朝まだ眠たい我が子を無理やり起こして、「早く、早く」と言うのは親の私たちにとってもストレスフルなことですよね。
「早く!」と言われなくなると、子どもは自分たちで考えて動きだします。
- 朝の時間がストレスにならない。
朝子供たちをせかさなくてもいいことに加えて、お弁当作りがないことは本当に嬉しいです!
他にも、
など、私にとってのメリットです。
もちろんこれは私の主観です。こういうのが好きな方にとってはデメリットですね。
オーストラリアの小学生ホームスクーリングのデメリット
そんな私的にはイイことばかりのオーストラリアの小学生ホームスクーリングですが、やはりデメリットもあります。以下は私の主観的なホームスクーリングにおいてのデメリットです。
- 親の時間がかなり取られる
ホームスクーリングをすると決めたら、親は自分の時間が減ることは覚悟しなければなりません。勉強を見る時間や図工をする時間などもそうですが、カリキュラムを作ったり、時間割を調整したり、体育の代わりにスポーツに連れて行ったり、ホームスクーリンググループに連れて行ったりと、結構忙しいです。
学校の先生がフルタイムで働いているように、ホームスクーリングはフルタイムです。とはいえ、上司がいるわけでもありませんし、のんびりしたいときはのんびりすればいいので、個人的にはあまりストレスになることはありません。
慣れてくると、時間もかからなくなってきます。
- 教育の質が安定しない
小学生の勉強と言えど、大学時代教員免許を取っていない限り、親はプロの先生ではありません。なのでやはり教え方にムラが出ます。例えば、歌や、演劇などは、家で実践するのはなかなか難しい分野です。
忘れてはいけないのが、それぞれの用語が英語なので、使い慣れない英単語を調べて説明しなければなりません。これがなかなか大変です。 - 学習が足りているのか分からない
ホームスクーリングに対しては、教育省がカリキュラムを出し基準を定めていて、それに沿って私たちもカリキュラムを作ります。それでも他に比べる子供がいないためか、やはり時々「うちの子勉強の量は足りてるのかな」とか、「同学年の子ども達と同等の学力はあるんだろうか」と心配になることがあります。 - 社会性を育てるために工夫しなければならない
子供たちは毎日学校に行って、友達と一緒に勉強したり遊んだりする時間がないので、やはり社会性をきずくために親は気を使います。
ホームスクーリンググループを探したり、放課後のスポーツに参加したり、地元の催し物には積極的に子供に参加させるなど工夫が必要です。 - 結構お金がかかる
それぞれの家庭によると思います。学校で行われるエクスカーション(社会科見学的なもの)の代わりに、ホームスクーリングサポート機関が主催するエクスカーションなどに参加したり、親が教えるのではなく家庭教師やチューターを利用したりすると、公立の学校に通うよりは費用がかかります。
オンライン教材を利用したり、無料で行われている政府の行事を利用したりすれば、低予算に抑えることも可能です。
まとめ
現状としては、オーストラリアのホームスクーリングは社会的に認められつつあり、またホームスクーリングを始める家庭も増加しています。
ホームスクーリングにはたくさんのメリットがありますが、デメリットも全くないわけではなく、ホームスクーリングを考える際は、デメリットも考慮して計画を立てるのが大切です。
子供一人ひとりやそれぞれの家庭に合う合わないはあると思います。実際、私としてはかなりメリットが大きいと思うホームスクーリングですが、友人に容易に奨めることはしません。
とはいえ、ホームスクーリングを始めたら、もう絶対学校には戻れないというわけではないので、1年だけホームスクーリングにしてみる、という気持ちで始めてみてもいいかもしれませんね。
ホームスクーリングをしようかどうか悩んでいるママに少しでもお役にたてれば嬉しいしいです。
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