オーストラリアでホームスクーリング!かかる費用と国からの支援やサポート

オーストラリアでホームスクーリングを始める時、費用はどのくらいかかるのか、今まで受け取ってきた政府からの支援や援助は引き続き受けられるのか、と言うのは深刻な問題ですよね。

この記事ではホームスクーリングを行う家庭が利用できる、国や政府の支援プログラム、教材費用の目安、また家庭教師などの利用に関する費用について具体的に解説します。

悩むママ
悩むママ

え!?オーストラリアでホームスクーリングにすると、国や政府から支援はしてもらえなくなるの?

柚葉
柚葉

大丈夫!オーストラリアではホームスクーリングが認められているから、通常の学校と同じように支援が受けられるよ。

オーストラリアのホームスクーリング教材費用の目安

教科書

ホームスクーリングにかかる教材の費用は家庭によって異なります。ホームスクーリングは限られた予算内ですることも十分可能ですし、大判振る舞いで行うことも自由です。

「何にどれくらいお金がかかるのか」、「どこにお金をかけてどこは抑えられるのか」を知っておくと、子供の教育のためにと親心でどんどん出費が増えるのを防ぐことができます。

ここでは、ホームスクーリングにおける一般的な教材費用の目安をご紹介します。

ホームスクーリングの小学生の教材費

小学生のホームスクーリングは、無料で提供されている教材を使用することで、かなり抑えることができます。小学生のホームスクーリングで使われる教材と、費用の目安は以下の通りです。

小学生の教材と費用の目安
  • 教科書とワークブック (年間平均約$300)
    オーストラリアの本の相場は1冊当たり数十ドル~百ドルぐらいです。我が家では1人に付き年間で約$300程かかります。
  • オンライン教材 (年間平均約$100未満)
    無料で利用できるものが多いです。ただし、特定の教材やサブスクリプションベースの学習プラットフォームを利用する場合は追加費用がかかります。サブスクリプションベースの学習の相場は各サイト、年間に$100以下の場合が多いです。
  • 実験材料・工作材料費 (年間平均数百ドル)
    小学生のホームスクーリングにかかる費用で、忘れてはいけないのがこの費用です。学校ではあふれんばかりに提供される工作材料ですが、家庭でやろうとすると材料費がばかになりません。 
  • 教育関連の活動費 (年間平均数百ドル~数千ドル)
    学校で行われる社会科見学や遠足に当たる費用です。博物館や美術館の訪問や体育に当たるスポーツクラブなどの費用も予算に入れておくと良いです。

全部合わせると、小学生のホームスクーリングにかかる費用は一般的に年間数百ドルから数千ドルぐらいになります。

柚葉
柚葉

無料で提供されている教材をうまく利用すれば、教材費を抑えることもできます。

中学生・高校生(Highschool)の教材費

中・高校レベルでのホームスクーリングにかかる教材費は、小学生の場合と比べて、一般的には増える傾向にあります。これは、高校レベルの教材は専門的で高度な内容になるため、そのコストが高くなることが多いためです。高校レベルのホームスクーリングの教材の例と、費用の目安です。

教材の例
  • 教科書とワークブック
    高校レベルの教科書やワークブックは、小学校レベルのものよりも専門性が高く、そのため値段が高い場合が多いです。
  • オンライン教材とサブスクリプション
    教科書と同様に内容が高度になってくるので、専門的なオンラインコースなどは有料の場合が多いです。
  • 実験材料や専門的な機材
    特に科学や技術関連の教科では、実験材料や専門的な機材に関するコストが発生する可能性があります。
  • 外部のチューターや専門コース
    高校レベルの学習では、特定の科目で外部のチューターや専門コースを利用することがより一般的です。
  • 試験料
    高校修了試験や大学進学に関連する試験料も予算に入れておきましょう。
  • 教育関連の活動
    遠足や社会科見学、学習プログラムへの参加など、教育的な活動にかかる費用も増加する可能性が大きいです。

中学生や高校生のホームスクーリングにかかる教材費は、年間千ドルから数千ドルが一般的です。中学生になると、勉強の内容も難しくなり、親がしっかりと教えられる域を超えてしまうことも多くなります。そうなると、やはり家庭教師や、塾、またはオンラインのコースを受ける必要が出てくるかもしれません。

柚葉
柚葉

また高校修了試験や大学進学に関連する試験料もしっかり予算に入れておきましょう。

オーストラリアのホームスクーリングで家庭教師や塾を利用する場合の費用

ホームスクーリングをする場合、親が教える他に、家庭教師や塾を利用することもできます。その場合費用はどのくらいかかるのでしょうか。

家庭教師を雇う場合

家庭教師の料金は幅広く、特に教員免許を持つ家庭教師は時給が$40~$150の範囲になることが多いです。経験年数や専門職、貢献度によって料金は変わってきます。また、中・高校生向けの家庭教師は、小学生向けの家庭教師に比べて、より料金が高くなる傾向にあります。

最近ではオンラインの家庭教師も多く、対面指導と比べると、教師の移動費用を節約できるため、費用は安くなる場合が多いようです。

オーストラリアでは、大学生や高校生が個人で自分の得意分野の家庭教師をしていることも多く、その場合は料金を交渉することも可能かもしれませんね。

塾に通う場合

オーストラリアでは日本の【学習塾】のスタイルに当たるものが一般的にはありません。学校での学習の遅れを補うためには、チューターと言う制度を使います。

チューターとは、日本でいう家庭教師のようなもので、チューターをお願いして、自宅または決めた場所で会い、勉強を見てもらうという形です。

料金形態は、グループ指導と個人指導でも異なります。グループ指導の教師は一回に数人の生徒を見ることができるので、一人当たりの料金は多少安くなることもあります。

チューターまたは教師の相場は範囲が大きく、一時間に$20~$300です。これは教師が持つ資格や、経験、専門性、教える教科によっても変わります。

日本と違うところは、教師は個人事業でしている事も多く、金額も自分で設定していることが多いです。その場合は料金の交渉も可能な場合もあります。

柚葉
柚葉

オーストラリアは物価が高いので、チューターの値段もかなり高額ですね。

オーストラリアの学校費用とホームスクーリングとの比較

オーストラリアの公立小学校に通う費用とホームスクーリングにかかる一般的な費用の平均額を比較しました。

費用公立小学校ホームスクーリング
入学金基本的に無料無料
学費基本的に無料0~数千ドル
教材費年間約$3500~千数ドル
その他の費用年間約$150、文房具に$100程度数百ドル~数千ドル
制服平均約$200なし
合計$800数百ドル~数千ドル

公立小学校の費用は国が管理しているため、基本的な料金は明確です。ホームスクーリングの場合は各家庭により費用が異なります。オンラインの無料教材を使うなど、工夫次第では公立小学校より低い予算でホームスクーリングをすることも可能です。

【オーストラリア】我が家のホームスクーリングの年間費用

我が家では、子供たち3人分の教材費+活動費を年間$9000と見積もっています。内訳は、

  • 教材費 $1500~$2000 (ワークブックやオンライン教材と画用紙や絵の具などの材料費)
  • スポーツ $4500~$5000(我が家の子供たちは水泳クラブに入っていて、夏季は毎週大会に出ているため、その費用の負担が大きいです。)
  • キャンプの参加費 $2000前後(ホームスクーリングサポート機関が定期的に開催するもの)

子供たちが(田舎の)カトリックの小学校に通っていた時の学費が、一人$3000だったので、それに比べると同じぐらいですね。個人的には、子供たちは学校にいた時よりも、良い教育とリラックスした時間を過ごしていると実感しています。

また、後述しますが、我が家は政府から出されている、「アクティブキッズバウチャー」や「クリエイティブキッズバウチャー」もフル活用させてもらっています!

【オーストラリア】ホームスクーリングで国から受けられる支援とサポート

ホームスクーリングはオーストラリアで国に認められた正式な教育形態です。そのため、公立・私立学校の生徒が受ける支援は、ホームスクールの生徒も同様に受けることができます。

政府が子供たちの活動のために提供しているサポートを紹介します。

Active kids voucher (アクティブキッズバウチャー )

オーストラリアのNSW州が提供しているプログラムです。子供たちのスポーツへの参加を促進することを目的に設計されたプログラムです。

このプログラムの対象者は、4歳半から18歳までの学生です。ただし、ホームスクーリングを行う子どもは、教育省に正式に登録されている必要があります。

半年ごとの子供1人に付き$50分支給され、子供たちのスポーツクラブの登録費用や、活動費用の支払いに利用することができます。年間2回、1年で$100分支給されますが、合わせて使うことができないので注意してくださいね。

柚葉
柚葉

それぞれ使用期間は半年です。期限切れになる前に使いましょう!

我が家では、最初のバウチャーはサッカークラブや、ネットボールクラブなど冬のスポーツの登録費に、2つ目のバウチャーは水泳クラブの登録費の支払いに使っています。

Active kids voucherの申請はNSW州の政府のウェブサイトから申請できます。

2024年からActive kids voucher はFamily Tax benefitを受け取っている家庭のみに支給される仕組みに変わりました。

Creative kids voucher (クリエーティブキッズバウチャー)

クリエーティブキッズバウチャーもNSW州から提供されるプログラムで、子供たちの創造的な活動を促進する目的で設計されています。

対象者はNSW州に住む、4歳半から18歳までの学生、ホームスクーリングの子供は、ホームスクールに登録していることが条件になっています。

こちらも年に2回、$50分ずつ支給されます。各バウチャーは半年の有効期限があるので、期限内に使うように注意してくださいね。

このバウチャーは、以前は絵具や画用紙など、図工の資材の支払にも使うことができたのですが、現在は活動のための登録費としてしか使えないようです。

柚葉
柚葉

ヨガやダンス、音楽の習い事に使えます!

Creative kids voucherの申請はNSW州の政府のウェブサイトからできます。

2024年からCreative kids voucher はFamily Tax benefitを受け取っている家庭のみに支給される仕組みに変わりました。

Isolated children Scheme (孤立した子供たちのための支援制度)

Isolated children Schemeの制度は国が提供するプログラムです。このプログラムは、地理的に孤立しているために地元の公立学校に通えない子供たち、または障害や特別なニーズを持つ子供たちの家族を支援するためのプログラムです。

この制度はホームスクーリングを行う家庭にも適用されます。障害や特別なニーズを持つ子供をホームスクーリングする家庭、または地理的に孤立した地域に住む家庭が、申し込むことができます。

詳しくはオーストラリア政府のウェブサイトで「Assistance for Isolated Children Scheme」と検索してください。

センターリンク (政府の福祉サービス)

センターリンクはオーストラリア政府のサポートで育児支援などの多様な福祉サービスを提供しています。

ホームスクーリングをすることで、センターリンクからお金(給与)が支払われることはありませんが、既に低所得などでセンターリンクから支援されている場合、本来は仕事を探していると言う証明が必要ですが、ホームスクーリングをしている場合、これが免除されます。

この場合も、ホームスクーリングに登録していることが条件になります。

まとめ

オーストラリアのホームスクーリングは、国に認められた制度なので、従来の学校に通う子どもたちと同じように国の支援を受けることができます。

利用できるものはありがたく利用して、コストを抑えながら、質の高い教育を提供したいですね。

ホームスクーリングは単なる教育の選択肢ではなく、家族のライフスタイルや価値観を反映でき、生活の一部になります。ホームスクーリングを始める前によく計画し、夫婦、親子が同じ方向を向いているのが理想ですね。

この情報が、あなたのご家庭のホームスクーリング計画に役に立てたら嬉しです。

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この記事を書いた人

在豪歴20年。4年間の留学生活ののち現地で結婚。オーストラリアの田舎町で農家をしながら、3人のハーフの子供たちを育てています。とあることで、子どもたちを小学校から退学させ、ホームスクーリングをしています。長女は今年から全寮制の中学校に入学して人生楽しみ中。ホームスクーリングのこと、全寮制学校のことを中心に、オーストラリア事情をお届けします。

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