2024年現在、オーストラリアは物価高で家賃の相場がグンと上がっています。せっかくオーストラリアへ留学や移住が決まったのに、住む都市によって家賃が高すぎて生活が苦しくては、海外生活を楽しめませんよね。
オーストラリアでは家賃の値上げで、安定した仕事を持っている現地の住民でさえ生活が困難になっていると言われています。
特に近年のシドニーの家賃の高さと、値上げのスピードは尋常ではありません。
あるシドニーのオンライン掲示板では、今回の家賃の値上げで、$300(約3万円)以上値上がりしと嘆いている方もいました！
家賃の価格や値上がりが尋常でないシドニーから内陸や他都市に移住しようと考える人も増えているそうです。
そこでこの記事では、在豪歴20年の不動産投資好きの私が、2024年現在のシドニーをはじめとする大都市の家賃の相場と、他の都市との家賃相場を親子留学や世帯での移住にうれしい3LDKの物件も含め、都市別で比較しランキングで紹介していきます。
家賃を抑えて楽しいオーストラリアライフが送れるヒントになればうれしいです。
*2024年4月現在オーストラリアドル/日本円の為替が1ドル=100.33円なので、この記事では、分かりやすく1ドル=100円で計算しています。日本円は()内に表示しています。
*紹介している現地の家賃の値段は、オーストラリアの不動産サイト「Domain」で今現在出されている物件を参考にしています。
オーストラリアの家賃相場はなぜ高い？
比較する前に、まずオーストラリアの家賃相場はどうしてこんなに高いのでしょうか。
理由はシンプルで、需要と供給のバランスです。オーストラリアは2022年以降、留学生の流入が爆発的に増え、海外から移住してくる人の数は50万人に上るそうです。
また、パンダミック以降シェアハウスの人気が下がったことも理由としてあげられています。たくさんの人と住むことを避けるようになったので、その分住宅が必要になっているんですね。
ただシェアハウスに関しては、また人気が出てきているようです。
移民が増え、住宅の需要が増えるスピードに対し、住宅を建てるスピードが伴っていないことも、家賃を押し上げる要因になっています。
オーストラリアの家賃の計算方法
オーストラリアの家賃は週額で提示されます。
予算を計算するときよくやってしまうのが【提示されている金額×4(週)】で計算してしまうこと。4(週)×12(か月)で計算すると、合計が48(週)になり、1年間52週から4週間分足りない計算になってしまいます。
家賃の予算を計算するときは、【提示されている金額×52(週)÷12(か月)】で正確な金額を出すといいですね。
家賃は一般的に週払いか隔週払いで、不動産屋さんが決めた口座にお金を振り込む形で行われます。
家を借りる時に家賃の他に必要なお金
オーストラリアで住宅を借りるときはBondという日本でいう敷金を払う決まりがあります。このお金は賃貸をしている間、政府が預かることになります。
Bondは家賃が$700(7万円)/週以下の場合は、最高で4週間分の家賃の金額です。週の家賃が$700(7万円)を超える場合は、家主さんと交渉するようになっています。
このお金は、賃貸をやめて引っ越す際に家に故障や修復の必要がなければ、返金されます。
1週間の家賃が高いと、この最初にかかる費用が大変！
2024年シドニーと都市別の家賃相場を比較
2024年4月現在のオーストラリアの都市別の家賃相場を調べ比較。どこが最も安いか調べてみました。
- 都心のアパート1、2、3ベッドルームの値段
- 都心の戸建て1、2、3ベッドルームの値段
- 都心から10㎞以内の郊外のアパート1、2、3ベッドルームの値段
- 都心から10㎞以内の郊外の戸建て1、2、3ベッドルームの値段
結果はこの通り！
オーストラリア都市別、家賃が高いランキング。都心から10㎞以内の郊外で3LDKでお家を借りる場合で比較した時の、堂々1位はシドニー(戸建て$1000/週)、2位はダーウィン($685/週)、3位がブリスベン($630/週)、4位がキャンベラ($620/週)、5位がメルボルン($620/週)、6位がアデレード($550/週)、7位がホーバート($550/週)、そして8位がパース($450/週）でした。
1位のシドニーと2位のダーウィンの差がすごいですね！
| オーストラリアの１週間の家賃の平均価格(郊外3LDK） | ||
| 戸建て | アパート | |
| シドニー | $1000 (約10万円) | $965 (約9万6500円) |
| ダーウィン | $685 (約6万8500円) | $650 (約6万5000円) |
| ブリスベン | $630 (約6万3000円) | $590 (約5万9000円) |
| キャンベラ | $623 (約6万2300円) | $675 (約6万7500円) |
| メルボルン | $620 (約6万2000円) | $590 (約5万9000円) |
| アデレード | $550 (約5万5000円) | $554 (約5万5400円) |
| ホーバート | $550 (約5万5000円) | $535 (約5万3500円) |
| パース | $450 (約4万5000円) | $463 (約4万6300円) |
2024年シドニーの家賃相場はどうなっているのか、詳しくご紹介します。
1位 シドニー
2024年、シドニーの家賃高さはオーストラリアの都市の中でダントツです。
都心と都心から10Km 以内の郊外の家賃相場を比べると、3LDKのアパートを借りる場合、都心では$1725、郊外に出ると$965で、その差は約$800(約8万円)/週です。
シドニーの朝の通勤ラッシュの渋滞は目も当てられないほどで、10㎞離れたところから車で通勤しようと思うと、かなりの時間のロスが考えられますが、電車通勤なら混みはするものの、さほど苦にはならないんじゃないかと思います。
夫はシドニー時代、Googleマップ上では10分で行ける距離を、毎朝車で1時間かけて通勤していました。
2024年4月現在、1ベッドルーム、2ベッドルーム、3ベッドルームのそれぞれの家賃の平均価格はこの通りです。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $750(約7万5000円) | $1100(約11万円) | $1725(約17万2500円) |
| 戸建て | $860(約8万6000円) | $1225(約12万2500円) | ||
| 郊外 | アパート | $630(約6万3000円) | $750(約7万5000円) | $965(約9万6500円) |
| 戸建て | $820(約8万2000円) | $1000(約10万円) |
シドニー近郊で一番家賃が安い地域はパラマタ（Parramatta）。3ベットルームの家賃の平均価格は$650(約6万5000円)/週です。
ちなみにオーストラリアで一番高い地域はダーリンポイント（Darling point）で3ベッドルームの平均家賃は$1,700(約17万円)/週となっています。
海とハーバーブリッジ、オペラハウスが一望できるステキなお家です。
シドニーは家賃が高いため、結婚して家庭を持ってもシェアハウスをする家庭が増えているそうです。
私たち夫婦もシドニーに住んでいた頃は、日本人のシェアメート1人と一緒に2ベッドルームに住んでいました。
シェアハウスの家賃の平均価格は、1人$350(約3万5000円)/週と言われていますが、これは都心で暮らすのか都心から離れた郊外で暮らすのか、また何人でシェアするのかによっても大きく変わってきます。
私の出会ったワーホリの方の中には、10人で3DLKをシェアして1週間の家賃を$100(約1万円）以内に抑えている、という人も少なくありませんでした。
他の都市の家賃事情はどんな感じなのでしょうか。シドニーを脱出してどのくらい家賃を抑えることができるのか比較してみましょう。
ここからは、家賃が安い都市順に紹介していきます。
8位 パース
2024年パースはオーストラリアで最も家賃の安い都市になっています。
シドニーと比べると、都心のアパートでも約$700(約７万円）も安く、郊外でも約$550(約5万5000円)の違いがあります。
1か月で約$2383(23万8300円)の節約になりますね！
1ベッドルーム、2ベッドルーム、3ベッドルームのそれぞれの家賃相場はこのようになっています。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $500(約5万円) | $630(約6万3000円) | $1005(約10万500円) |
| 戸建て | $650(約6万5000円) | $840(約8万4000円) | ||
| 郊外 | アパート | $375(約3万7500円) | $463(約4万6300円) | |
| 戸建て | $400(約4万円) | $450(約4万5000円) |
パースで一番家賃の安い地域はマンダラ(Mandurah)と呼ばれるエリアで、1週間の平均家賃は3ベッドルームの戸建てで$450(約4万5000円)です。
都心の家賃相場は2番目に高いブリスベンとあまり変わりませんが、郊外に行くとだいぶ差が出ます。パースは郊外に住んだほうが交通費を考えたとしても安くつきそうですね。
パースは日本への直行便もあり、日本人には住みやすい都市です。
7位 ホーバート
ホーバートはタスマニア州の都市で、オーストラリアの南に位置する離島です。
都心で3LDKのアパートを借りる場合、シドニーと比べると$1000(約10万円)も安くなります。またパースと比べても都心に住む場合はホーバートの方が約$300(約3万円)/週も安いですね。
1ベッドルーム、2ベッドルーム、3ベッドルームのそれぞれの家賃相場はこちら。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $408(約4万800円) | $625(約6万2500円) | $720(約7万2000円) |
| 戸建て | $570(約5万7000円) | $610(約6万1000円) | ||
| 郊外 | アパート | $340(約3万4000円) | $450(約4万5000円) | $550(約5万5000円) |
| 戸建て | $450(約4万5000円) | $535(約5万3500円) |
ホーバートで最も家賃が安い地域はClearemontと呼ばれるエリア。3ベッドルームの家賃相場はアパートで$400(約4万円)/週、戸建てでは$440(約4万4000円)/週です。
タスマニアは自然の豊かな所で、食べ物もおいしい！難を言えば、日本から遠いことが残念。そして冬は寒い！
日本からの直行便もないのよね…
6位 アデレード
アデレードはオーストラリアの家賃相場が安い都市の1位2位を争う都市です。今回のリサーチではごくわずかな差でパースにその座を奪われましたが、比べる物件の条件によってはアデレードの方が安い場合も多いです。
都心の3LDKのアパートを借りる場合は、ホーバート、パースを抜いて堂々8位(安いランキング1位）！
シドニーと比べると$1000以上(約10万円)の差があります。
2024年4月現在出されている物件の部屋数別平均価格はこんな感じになっています。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $450(約4万5000円) | $560(約5万6000円) | $700(約7万円) |
| 戸建て | $575(約5万7500円) | $650(約6万5000円) | ||
| 郊外 | アパート | $325(約3万2500円) | ||
| 戸建て | $390(約3万9000円) | $550(約5万5000円) |
アデレードで1番家賃が安い地域はエリザベス・サウス(Elizabeth south)で、戸建て3ベッドルームの戸建ての家賃相場は$550(約5万5000円)/週。
アデレードは日本との時差が30分と広大なオーストラリアのなかで、日本との時差が最も小さい街です。また2021年「世界で一番住みやすい都市ランキング」の3位にランクインしました。
日本からの直行便がないためか、あまり日本人には知られていない都市でもあり、日本人の人口は他の都市に比べると少ないと言われています。
留学先にはもってこいね
5位 メルボルン
メルボルンはオーストラリアでシドニーに次ぐ第2の都市ですが、家賃の高いランキングでは5位！(安い都市ランキング4位！)メルボルンも都心の3LDKはパースよりも安くなっています。
2024年4月現在のメルボルンの1週間の家賃の平均価格をまとめました。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $450(約4万5000円) | $600(約6万円) | $895(約8万9500円) |
| 戸建て | $700(約7万円) | $900(約9万円) | ||
| 郊外 | アパート | $380(約3万8000円) | $460(約4万6000円) | $590(約5万9000円) |
| 戸建て | $520(約5万2000円) | $620(約6万2000円) |
3ベッドルームになるとだいぶ高くなるね。
メルボルンで一番家賃が安いエリアはメルトン(Melton)。3ベッドルームの家賃相場は、戸建てで$355(約3万5500円)、アパートは$360(3万6000円)です。
「世界で最も住みやすい都市ランキング」に5年連続で1位になったメルボルンは、住みやすく日本人にも人気な都市のひとつ。また、マーケットが多く新鮮な野菜やパン、肉や魚なども安く手に入るので、生活費を抑えるのにもとても適している街です。
私もNSW州の田舎街からメルボルンへ行ってきましたが、マーケットでは野菜が安かったですし、外食も安いと感じました。
郊外の家賃もシドニーと比べると40％ぐらい安いね
4位 キャンベラ
オーストラリア都市別家賃相場の高いランキング4位のキャンベラはどうでしょうか。
だんだんシドニー価格に近付いてきました。都心の3ベッドルームで$1000(約10万円)を超えました。
それでもシドニーと比べると$700(約7万円)ほど安いですね。
キャンベラの1週間の家賃平均をまとめました。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $540(約5万4000円) | $650(約6万5000円) | $1000(約10万円) |
| 家 | $940(約9万4000円) | |||
| 郊外 | アパート | $470(約4万7000円) | $560(約5万6000円) | $675(約6万7500円) |
| 家 | $520(約5万2000円) | $623(約6万2300円) |
キャンベラで一番家賃の安いエリアはLyonsと呼ばれるエリアで、3ベッドルームの家賃相場は$620(約6万2000円)です。
キャンベラはオーストラリアの首都を決める際に、シドニーとメルボルンの中間点に作られた小さな街で、Australian Capital Territory(ACT)と呼ばれる地域の都市です。
小さな街ですが政府関係のことを行う都市なので、交通機関も整っていてシドニーへは、バスや電車、飛行機、もちろん車でもアクセスしやすい街です。
「オーストラリアで最も治安のよい都市」として知られているよ
政府関係で働く高学歴、高収入の人が多い街だからね。
そして冬はむっちゃ寒いです。
3位 ブリスベン
2024年、郊外の戸建て3LDKの家賃相場で比較した場合、ブリスベンはオーストラリアで3番目に高い都市になっています。
シドニーと比べると、都心の3LDKのアパートは約$700(約7万円)ほど安いですね。
ブリスベンの１週間の部屋数別の家賃の平均をまとめました。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $550(約5万5000円) | $750(約7万5000円) | $1000(約10万円) |
| 戸建て | $750(約7万5000円) | $850(約8万5000円) | ||
| 郊外 | アパート | $470(約4万7000円) | $590(約5万9000円) | |
| 戸建て | $500(約5万円) | $630(約6万3000円) |
都心の値段は高いですが、郊外に出るとメルボルンとあまり変わりませんね。郊外に住む方が交通費のことを考慮に入れても、節約になりそうです。
ブリスベンで一番家賃の安いエリア はBeaudesert。戸建ての家賃相場は$520(約5万2000円)(2ベッドルーム)
ブリスベンは近年、他の州からの移住者も多いうえ、ブリスベンから他の州に移る人が少ないため、住宅の空き率が低くなってきているようです。家賃は2023年の1年間で平均9.1％値上がりし、2024年にはさらに11％値上がりするだろうと予想されています。
昨年1年間でシドニーでは20％、メルボルンでは17％の家賃が値上がりしたので、ブリスベンはまだ緩やかなほうですね。
少し前までは安い都市として知られていたのにね。
日本からは成田から直行便も出ており、日本人には住みやすくて人気な都市です。
2位 ダーウィン
シドニーに次ぐ家賃の高いランキング(郊外3LDKの戸建て物件)2位はダーウィン。ダーウィンはNorthern Territory(NT)の都市で、オーストラリアの北に位置している都市です。
表を見るとわかるのですが、今回の比較対象の物件は他都市に比べて高いですが、都心の値段は他の都市に比べると安く、6位のアデレードと同じくらいです。
都心の3LDKのアパートならシドニーと比べると$1000(約10万円)ほど安いですね。
ダーウィンの1週間の部屋数別家賃平均をまとめました。
| 部屋数 | 1ベッドルーム | 2ベッドルーム | 3ベッドルーム | |
| 都心 | アパート | $485(約4万8500円) | ＄600(約6万円) | $750(約7万5000円) |
| 戸建て | $790(約7万9000円) | |||
| 郊外 | アパート | $435(約4万3500円) | $650(約6万5000円) | |
| 戸建て | $330(約3万3000円) | $485(約4万8500円) | $685(約6万8500円) |
ダーウィンはアボリジニー人口が多い都市で、日本人はほとんど住んでいないようです。
学校はあるので、日本人の全くいないところに留学したい！というこころざしの人には良い環境かもしれませんね。
日本からダーウィンまでは直行便が無く、クイーンズランドのケアンズで乗り継ぎが必要です。
ダーウィンで一番家賃が安い地域はBakewellで3ベッドルームの家賃の平均は$490(約4万9000)です。
まとめ
2024年4月現在、最も家賃が手頃な都市は、パース、アデレード、ホーバートの3都市です。また、オーストラリアの第二の都市であるメルボルンも、シドニーと比較すると家賃はかなりリーズナブルです。
パースやアデレード、メルボルンは家賃だけでなく、物価の上昇もシドニーに比べて緩やかで、生活コストを抑えやすい都市ともいえます。
シドニーはキャリアのチャンスが多い、日本食も手に入りやすい、海の近くなどなど、環境的にはとても魅力的な都市ですが、家賃の値上げが止まりません。それでもどうしてもシドニーがいい！というときは、ハウスメートを募集するのも一つの手ですね。
現在、オーストラリアでの住まい探しは競争が激しく、良い物件は市場に出た瞬間に埋まることが多いです。新しいチャンスを逃さないためにも、物件情報はこまめにチェックしてくださいね。
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