【豪州体験談】ホームスクリーングで子どもの社会性の育て方!解決策は?影響は?

オーストラリア小学生のホームスクーリングを始めたいけど、子どもの社会性が育つかどうか心配で、躊躇していませんか?

私も我が家で小学生3人のホームスクーリングを始める時は、ママ友や実家の母に「子どもたちの社会性はどうするの?」「コミュニケーション能力が育たなかったら大変じゃない?」と、子どもたちの社会性を心配した声をたくさん投げかけられて、心がモヤモヤしたのを覚えています。

でも実はあまり知られていませんが、ホームスクーリングの子どもたちの方が、学校に通う子どもたちより社会性が高いという研究結果はたくさん出ているんです。

この記事では、オーストラリアの小学生がホームスクーリングで社会性を育てる方法と、ホームスクーリングが子供に与える社会性の発達へのポジティブな影響と、ホームスクーリングで起こりうる社会性へのデメリットの解決策の提案をご紹介します。

ホームスクーリングを始める不安を少しでも和らげていただけたら嬉しいです。

オーストラリアの小学生ホームスクーリングで社会性を育てる方法

オーストラリアのホームスクーリングの小学生が社会性伸ばすには、これからお話しする3つの事を押さえておけば大丈夫です。

親子間のコミュニケーション

ホームスクーリングをすると、自然と親子間の会話が多くなります。勉強を教えている時や、料理をしている時、中には仕事をしている時も子どもが同じ部屋にいることもあるかもしれませんね。

子どもたちは親と会話をする時、その時々で意図せず社会性やコミュニケーション能力を育んでいるんです。

何かを頼んだり、交渉したり、同意したり、反対したり、喜んだり、怒ったり、悲しんだり、怒られたり、謝ったり、許したり、褒めたり、褒められたり、子どもたちは、そういう気持ちや感情を伝える力を、親子の会話の中で学んでいきます。

そして、親とコミュニケーションをとれる子どもたちは、精神的に安定し、学習にも集中しやすくなります。

同年代の子どもたちと交流

子どもの成長には、子ども同士のコミュニケーションもやはり大切です。

しかしながら、それは学校に行かないとできないわけではありません。オーストラリアには学校外でも子どもたちが交流できる機会がたくさんあるからです。

オーストラリアで小学生が学校外で友達と交流できる場所は例えば、

  • 学校外のスポーツ活動
  • ホームスクーリンググループ
  • 地域のボランティア活動
  • ホームスクーリング機関が開催している社会科見学
  • 音楽や芸術のクラブ活動

など、地域によって色々な行事や活動が開催されています。こういった行事や活動に参加すれば、地域の子どもたちや他県の子どもたちの出会いも作ることができます。

子ども同士のコミュニケーションが大切な理由は、親や大人との会話だけでは遭遇しない場面があるからです。例えば、こんな場面

  • 何かがうまくいかなくて、親に当たるが、子どもの性格は良く分かっているので、許す。
  • 親が使っているものを欲しがるので渡す。
  • 親が食べているものを欲しがるのであげる。

など、良くある光景ですよね。悪いことと言っているわけじゃありません。でも、こういうことは子ども同士のやり取りではそう簡単には行きません。

同年代の子どもたちとコミュニケーションを取る上でちょっとしたことで、相手を怒らせてしまったり、心無い言葉に傷ついたりすることもあるかもしれません。それは必要なことで、子どもたちが成長するのに通るべき道です。そういう状況からも子どもたちは社会性を育んでいくので、同世代の子どもたちとの交流は子どもが社会性を学ぶのに、やはり必要不可欠なんです。

親が見本を見せる

子どもの社会性を育てるには、親が見本を見せるのが一番です。

「子は親を映す鏡」「親の背中を見て子は育つ」などのことわざがあるように、子どもは親が言うこと、することを見事に真似します。

ということは、親がしっかり挨拶をしたり、他人とコミュニケーションを取ったり、時間を守っていたり、人と笑顔で接していたりしていれば、子どもはそこからしっかり社会性を学んでいきます。

【豪州】ホームスクーリングで小学生の社会性は育たない?

オーストラリアの小学生のホームスクーリングでは、社会性が育たないのではないかと心配されるのは、ホームスクーリングが孤立した学習制度だと考えられているのが原因だと思っています。例えば、

  • 同年代の子どもたちと交流する機会がない
  • 1日中話すのは親だけ
  • 先生など、他の大人と接する機会がない
  • 社会科見学などの自分のテリトリーを出る機会がない

というような印象をホームスクーリングに持っているのではないでしょうか。

ホームスクーリングでは、子どもは孤立してしまうと思われがちですが、ホームスクーリングは朝9時から15時までキッチンテーブルで親と向き合って勉強しているわけではありません。

実際ホームスクーリングをする子どもたちがテキストブックやワークブックを使って勉強している時間は2時間程度で、他の時間は料理をしたり、ガーデニングをしたり、公園に行ったり、ホームスクーリンググループの子どもたちと集まって遊んだりと、ホームスクーリングをする子どもたちは、毎日忙しくしています。

実際に多くのホームスクーリングをする家庭の親は、学校に通う子どもたちの親と比べても子どもがより多くの活動に参加するよう動いていることが多いようです。

オーストラリアの小学生のホームスクーリングが与える社会性への影響

オーストラリアの小学生がホームスクーリングをするうえでの社会性への影響は、実はポジティブなことの方が多いと感じでいます。

ホームスクーリングで得られる社会性育成へのメリットと、起こりうるデメリットの解決方法をご紹介します。

ホームスクーリングの社会性におけるメリット

ホームスクーリングには世間的にはあまり知られていない、社会性を育てるためのメリットがたくさんあります。

  • 自己肯定感が高まる
    ホームスクーリングの環境に、同調圧力というものが存在しないので、子どもたちは周りの目を気にすることなく、本来の自分でいることができます。子供たちは自分自身に自信を持ち、自分の考えを大切にすることができ、自己肯定感が高まります。
  • 精神的安定
    親と密接にコミュニケーションをとれるので、子どもたちの心は安定します。精神的に安定した子どもたちは、新しいことに挑戦する勇気や、問題に直面した際の解決策を見出す力を育むことができます。
  • いじめからの解放
    大きな社会問題になっている、いじめの不安から解放されます。直接いじめの影響を受けていなくても、いつ自分にまわってくるか常に不安は付きまといます。いじめのある環境は子どもたちの心に平和をもたらしません。

    ホームスクーリングの環境では、そういった環境から解放されるので、子どもたちは、ポジティブな環境で成長でき、精神的な健康にも良い影響をもたらします。
  • 家族との絆が深まる
    ホームスクーリングは家族と一緒にいる時間が長いので、自然と家族のきずなが深まります。姉弟がいる場合は、姉弟間の関係もより近いものになります。
    家族は一番小さな「社会」です。その中で、お互いの事を良く知り、理解しあえる関係を築けるのは、大きな「社会」の中で上手くやっていくためにとても役に立ちます。
  • 現実的に社会に出る準備ができる
    ホームスクーリングは、子どもたちが自主的にその日のタスクをこなし、年齢の異なる子どもたちとふれあい、ボランティア活動などを通して社会と繋がります。そういう活動を通して、現実的に社会に出る準備をしていくことができるのですね。
柚葉
柚葉

現実社会では学校のように、常に同年代の20人の集団で行動するということはありませんよね。

ホームスクーリングの社会性におけるデメリット

全ての事に陰陽があるように、メリットがあるものにはデメリットもあります。

ただ、ここでいうデメリットは、工夫によってカバーできることです。受け入れなければならないデメリットではありません。

デメリットを知ることで、じゃあどうしようかと考えてホームスクーリングをより良いものにしていきたいですね。私が考えるホームスクーリングが子どもの社会性にもたらすデメリットは2つ。

  • 同年代の子どもとの接触が少ない
    子どもの社会性の発達には子ども同士の関わり合いが不可欠です。ホームスクーリングをしている子どもは、学校で常に子どもの集団の中にいる子どもたちに比べると、その時間はとても短くなります。

    特に、仲の良い友達が学校での話をしている時は、ホームスクーリングをしている子どもは話についていけないということがあります。
  • 楽しい学校行事に参加できない
    ホームスクーリングをするうえで、一番の弱みは学校ならではの行事に参加できないことです。オーストラリアの学校制度上、ホームスクーラーは運動会や水泳大会、学芸会、遠足や修学旅行など、団体でするから楽しいイベントに参加することができません。

このようなデメリットは、学校外のイベントやホームスクーリンググループに参加することで、補うことが出来ます。

ありがたいことに、オーストラリアにはホームスクーリングをサポートする団体がたくさんあります。そういうグループに参加したり、地域のスポーツクラブに参加することで、同年代の子どもたちとの接触を増やし、色々な行事に参加することができます。

我が家のホームスクーリングの体験談

我が家の小学生ホームスクーラーの社会性を育てるための活動を紹介します。

ホームスクーリングを始める時のアイデアになると嬉しいです。

スイミングクラブに入会

我が家はホームスクーリングを始めたと同時に、街のスイミングクラブに入会しました。学校を退学して、大会などに参加する機会が無くなったため、他の子どもたちと一緒に競争できる場所を探していたからです。

スイミングクラブでは、夏季には毎週末、近辺のどこかしらの街で水泳大会が行われるため、子どもたちはそれに向けて、毎日クラブで練習をして、週末の大会で競技します。

近辺の街から集まる子どもたちは毎週顔を合わせるので、水泳を競うときはよきライバル、プールから上がれば気の合う友達として友好を深めています。

柚葉
柚葉

他県の子どもたちと出会い全く違った文化や価値観を共有できることは、子どもたちにとっても大きな財産になっています。

毎日練習のあるクラブだとメンバーと顔を合わせる機会が多いので、同年代の子どもたちとのコミュニケーション力を育てるにはとても良いと思います。そして、大会に出ることで他県の子どもたちと出会う機会も作れるので、他県で練習や大会があるスイミングやラグビー、ネットボールといったスポーツはおすすめです。

ホームスクーリングサポート機関の 社会科見学に参加

2022年、我が家はSimply homeschooling というホームスクーリングサポート機関が開催した社会科見学キャンプに参加しました。

首都のキャンベラで、Questacon やオーストラリア戦争記念館(Australian war memorial)、パーラメントハウス(Perliament house)、国立博物館などを見学しガイドの方にレクチャーを受けたりしながら、3泊4日オーストラリア全土から参加したホームスクーラーたちと共に学び、体験しました。

ホームスクーリングのキャンベラ社会科見学

様々な背景を持った子どもたちが、色々なところから集まってくるので、子どもたちは最初はみんなうつむいていましたが、だんだんとお互いに心を開いているようでした。

こういった交流は子どもたちの社会性を育むのにとても有効だと思っています。短い間の交流ですが、子どもたちは、知らない相手と友達になる方法や話しかけ方、交流の仕方を身に付けました。

ボランティア活動に参加

我が家はチャンスがあれば、色々なボランティアに参加するようにしてます。Clean up Australia Dayに街で行われた、地域のボランティア清掃活動もその中の一つ。

規模は大きくないものの、年齢の近い子どもたちやその親たちが集まり、街を2時間弱の間掃除して、ランチを一緒に食べるという一連で、子どもたちは同年代の子どもたちと一緒に働くことや親とは別の大人と接することができました。

こういったボランティア活動には、似た価値観を持った人たちが集まります。そうした、価値観を持つ人たちとの交流を深めることで、自己肯定感の強化や協調性を高めることができます。子どもたちの社会性の育成に役立ちますね。

まとめ

オーストラリアの小学生のホームスクーリングは、社会性を育むには好影響の方が多いと実感しています。

社会性とは、他人との社交の場のことを指すだけの言葉ではなく、他人とうまく関われる能力や社会でうまく生きていける能力の事です。子どもたちは安全な環境で、精神的に安定した状態で日々の生活が送れることで、自己肯定感を高め、周りに不信感や恐怖心を持つことなく自分の意見を持つことができます。

ホームスクーリングでは社会性が育たないという迷信は捨ててしまいましょう!オーストラリアでホームスクーリングがしたいけど、迷っている、誰かに聞きたいというかたは、いつでもメッセージくださいね。

関連記事はこちらから↓

にほんブログ村に参加しています
人気ブログランキングに参加しています
ホームスクーリング
柚葉をフォローする
この記事を書いた人

在豪歴20年。4年間の留学生活ののち現地で結婚。オーストラリアの田舎町で3人のハーフの子供たちを育てています。子供が大きくになるにつれて、コミュニケーションの測り方が難しくなってきたことから、自身の英語の勉強のやり直しと、子供たちの日本語力アップに力を入れています。

柚葉をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました