オーストラリアで小学生のホームスクーリングの始め方が分からなくて、一歩踏み出せないと悩んでいませんか。
オーストラリアではホームスクーリングが国に認められているので、とても簡単に始めることができるんです。
この記事では、オーストラリアのホームスクーリングの始め方と手続きの方法、ホームスクーリングをする際の注意点をご紹介します。
オーストラリアでホームスクーリングをしたいけど、やり方が分からなくて始められないと悩んでいるママのお役に立てれば嬉しいです。
オーストラリアの小学生のホームスクーリングの始め方
オーストラリアで小学生のホームスクーリングを始める時に、まずしておきたいことは、情報収集です。
オーストラリアのホームスクーリングは、法律で認められた、独立した教育形態です。言うならば、家庭が、一つの学校になるということです。
一大事業を始めるわけですから、しっかり準備して始めたいですね。
ここでは、ホームスクーリングの始め方をご紹介します。
情報収集
ホームスクーリングを始める際に、情報収集は重要です。このブログの読者さんは既にこのブログから多くの情報を集めてくださったと思います。
同時に、住んでいる地域や、州でホームスクーリングの子どもたちのための行事や企画がないかなど、情報を集めることで充実したホームスクーリングを行えます。
また、有料のホームスクーリングサポート機関を利用する際は、その機関が課外授業などの企画をしていないかなど、チェックしておくのもいいですね。
社交の場の確保
ホームスクーリングは子どもと貴重な時間を共有し、その学力と将来を支える重要な役割を親に与えます。
親が一人でやっていると、自分のやっていることが正しいのか、子どもは十分な教育を受けているのか、と心配になり不安になります。
そんな時、他のホームスクーリングを行っている他の家族は、とても心強い存在です。
地域にホームスクーリンググループはないか探しておくと、ホームスクーリングをスムーズに始められますし、不安や心配があれば相談することもできます。また、同じ境遇にある子どもたちも仲良くなって社交性を学ぶ良い機会にもなります。
また、州立の図書館や、役所の機関はホームスクーラーを歓迎してくれます。図書館に通って、顔見知りになったり、役所の行事には積極的に参加するのも良いですね。
社会のつながりが無くなってしまうと、子どもたちの社会性を育てることが難しくなるので、できるだけ外との交流ははかるようにしたいですね。
オーストラリアで小学生のホームスクーリングに必要な手続きと流れ
オーストラリアでホームスクーリングを始めよう!と思い立って、すぐに学校をやめてしまうのは得策ではありません。
法律が絡んだ義務教育の事なので、順番を間違えると、要らないストレスを抱えることになります。
ここでは、ホームスクーリングを始める前に必要な手続きと手順を説明します。
法的手続き
オーストラリアでホームスクーリングを始めるには、住んでいる州の教育当局にホームスクーリングの登録をすることが、まず始めの一歩です。
住んでいる州の教育省に申請して、登録証を受け取ります。NSW州ではNESAと呼ばれる所に申請をします。
登録をする際には学習のプランが必要です。どのように子どもの学習を進めていくのか、教材は何を使うのかなどまとめたプランの提出が求められます。
このプラン作成は、ホームスクーリング初心者にはかなりハードルが高いです。初めての事ばかりですし、量も多く、何が求められているのかも私は良く分かりませんでした。
そこで私がおすすめするのは、ホームスクールサポートをビジネスにしているプロに任せてしまうことです。プロに任せることで、まとまった学習プランとそれに合った教材を見つけることができます。それによって、ホームスクールをスムーズに始めることもできます。
オーストラリアにはホームスクーリングサポート機関がたくさんあります。
- Home Education Association (HEA)
HEAはオーストラリアのホームスクーリング家族をサポートするための非営利団体です。教育資源の提供、教育計画のサポート、オンラインフォーラム、ワークショップ、法的アドバイスなど幅広いサービスを提供しています。(オーストラリア全域サポート) - EUKA
EUKAはオーストラリアのホームスクーリングに特化した機関です。カリキュラムやリソースの提供をしています。 - Simply Homeschool
私が実際にオーストラリアで我が家の小学生の子供たちのホームスクーリングを始める際に利用した機関です。メンバーシップを購入すると、様々なサービスが受けられるようになります。ホームスクーリング登録(Registration)サポートサービスもオプションでついていて、わが家もお願いしました。(オーストラリア全域サポート)
我が家はSimply Homeshoolに依頼しました。機関によってサービス内容は異なりますが、Simply Homeshoolでは、提供されたレッスンプランから子どもに合いそうなプランを選び、教育計画書を作成するサポートを受けることができました。
教材や実験、工作のアイデアもレッスンプランに含まれているので、自分で考える手間が省け、スムーズにホームスクーリングを始めることができました。
教育当局に登録をすると、州によって異なる場合があるようですが、NSW州では対面の面接があります。
当局から連絡が来て、面接日程を決め、担当者が家まで来てくれます。我が家はへんぴな田舎街ですが、ここまでわざわざ来てくれました。
この時、担当者は子どもたちの生活環境や、学習環境を確認しますが、わざわざ勉強部屋を用意しておく必要はありません。我が家も子どもたちのスクーリングはダイニングテーブルです。
学校への手続き
登録が済んだら、学校に退学の手続きをします。退学と言うとなんだか聞こえが悪いですが、ホームスクーリングへ転校と思えばよいです。
登録が済む前に学校を辞めてしまうと、義務教育の法律的にめんどくさいことになります。申請してから、登録証が下りるまでにどのくらい時間がかかるかわからないので、登録証を受け取るまでは、学校に籍を残しておきましょう。
お子さんが学校に行きたくないというときは、医師からメディカルサーティフィケートを貰っておくのも一つの手段です。
学校をやめる時のコツは、穏やかに、感謝を込めて辞めることです。いつまたその学校に戻ることになるか、または下の兄妹が行くことになるかもしれません。
また、オーストラリアの学校の先生は学校のある地域に住んでいることがほとんどなので、誰と繋がっているかわかりません。あまり態度悪くやめると、後でめんどくさいことにもなりかねないので、跡をにごさず辞めましょう。
ママ友で、学校をやめる時校長先生にたんかを切って辞めたママがいますが、これからも同じ街に住むことを考えると、良策ではないですね。
【オーストラリア】小学生のホームスクーリングは環境づくりが大切
ホームスクーリングを始める準備として、環境づくりが大切です。と言っても、勉強部屋を作ったり、ましてや教室を作ったりする必要はありません。
ここでは、我が家のホームスクーリング環境を例に、再現性の高いホームスクーリングの環境づくりと、ホームスクーリングを始める前に見つけておきたいホームスクーリンググループやサポートのことについてまとめました。
家庭内での学習環境を整える
ホームスクーリングをする際に必要なものはあまりありません。ホームスクーリングをしているママ友は、学校にあるような大きなホワイトボードをリビングルームに置いていますが、ほとんど出番はないそうです。
学習環境においては、私が必要だと思うものはこのぐらいです。
子どもが毎日生活する場所なので、多少散らかっていてもあまり神経質になる必要はないと思っています。
毎日のルーティンを作る
ホームスクーリングを始めると、朝学校に登校しなくて良いので、子どもにとっては毎日、日曜日になりかねません。
個人的には、子どもはもっと寝るべきだと思っているので、朝ゆっくり寝ていられるのは、子どもにとって悪いことではないと思っていますが、毎朝10時ごろ起きて、毎日ダラダラ、と言うのは避けたいですよね。
毎日のルーティンをしっかり確立させて、大まかな起床時間、学習時間、自由時間、就寝時間を決めておくと、ホームスクーリングがスムーズに行えます。また、ルーティンを守ることで、子どもは自主性をつけていきます。
ホームスクーリングのスケジュールやルーティンの作り方はこちらの記事に詳しく書いています。
オーストラリアでホームスクーリングを始める時の注意点
オーストラリアで小学生のホームスクーリングを始める時に注意したいことは、学習の遅れや子どもの生活習慣、社会性の育て方などたくさんありますが、一番の注意点は、やはり子どもの様子に気を配ることです。
子どもの教育の責任者になったことで、ちゃんと「勉強させなくちゃ!」とか、「あれもこれもやらなくちゃ!」と肩に力が入りがちですが、一番大切なのは、子どもが活き活きと過ごせることだと思っています。
親である私たちも、一度立ち止まって勉強することの意義を考えてからホームスクーリングを始めると、親も子どもたちも、ホームスクーリングを楽しめるのではないでしょうか。
経験談からホームスクーリングを始める際の注意点をお話します。
子どもとよく話し合う
ホームスクーリングを始めると決める前から、子どもと話し合っても早すぎることはありません。
子どもの人生にも大きく影響する事ですから、子どもと一緒に納得して始めたいですね。
我が家もホームスクーリングを始めようか、と言う段階から子どもたちと話し合っていました。
ホームスクーリングでどんなことがしたいとか、友達とはどうやって交流するかなど、子どもたちが不安になるだろうことも、前もって話しあっておくと、いざ学校をやめると言うときに、納得して辞められると思います。
子どもの心境の変化に気づく
ホームスクーリングは、子どもたちをいじめがある環境や、先生からの期待などのストレスから解放されるメリットの多い教育形態だと思っています。
しかしながら、この教育方法が合わない子どもたちは少なからずいます。
特に田舎でするホームスクーリングは、多くの同世代の子どもたちと接する機会が限られるので、外交的な子どもたちには注意が必要かもしれません。
我が家の長女は、小学生のうちはホームスクーリングを楽しんでいましたが、思春期に入るにつれて、同世代との交流に飢えていました。
だんだん心を閉ざしているようにも見え、このままではいけないと思い、本人が希望した全寮制の学校に送ることに踏み切りました。
ホームスクーリングをするご家庭に限りませんが、お子さんの心境の変化や、心理的なケアは注意しておきたいです。
長女をオーストラリアの全寮制の学校(ボーディングスクール)に入学させた経緯はこちらに詳しく書いています。
まとめ
オーストラリアではホームスクーリングは国に認められた教育です。
手続きや面接など、多少めんどくさい所もありますが、基本的には簡単に始めることができ、子どもの学習ペースに合わせた、柔軟な教育が可能になります。
ホームスクーリングをするということは、生活ががらりと変わるので、親にとっても大きな決断になると思いますが、子どもの成長を間近で見ることのできる、特別な期間です。どうかお子さんと一緒に楽しんでくださいね。
あなたのホームスクーリングを応援しています。
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