オーストラリアで中学生から寮生活を始めることのメリットとデメリットは何だろう。
そんな疑問を持っていませんか。
- 中学生が寮生活をするメリットデメリットを知りたい
- 13歳からの寮生活は子どもにとって早すぎるのかどうか知りたい
この記事はこんな疑問を持つ方のために書いています。
全寮制の中学校を子どもの進路と考えたとき、中学生からの寮生活は精神的にも早すぎるかなと心配になりますよね。
中学生から全寮制の学校(ボーディングスクール)に通わせることのメリットはたくさんあります。しかしながら、デメリットがないかといえばそういうわけでもありません。
この記事では、今年長女を8年生(中学2年生)でオーストラリアのボーディングスクールに送った私が、中学生から全寮制に通うメリットとデメリットをご説明します。
中学生の進路に悩んでいるママ・パパさんのお役に立てるとうれしいです。
オーストラリアの全寮制中学(ボーディングスクール)のメリット
実際に娘をオーストラリアのボーディングスクールに入学させてわかったことは、ボーディングスクールにはメリットがたくさんあるということ。
ここでは長女をオーストラリアのボーディングスクールに進学させたことで、私が実感しているメリットをご紹介します。
新しい出会い
ボーディングスクールには、都心出身の生徒や他の州から来る生徒、他の国から来る留学生など、いろいろなバックグラウンドを持った子どもたちが集まります。地元にとどまっていたら出会うことのできない人たちや、知ることのできない文化を知ることもでき、長女の世界は一気に広がりました。
仲良くしている生徒の中には、クイーンズランド州から来ている友達や、ニュージーランドから来ている先輩、中国から来ている留学生がいて、たくさんの刺激を受けているようです。
自立心がつく
実家では親が当たり前だったこと、たとえば
- 朝起こしてもらう
- 洗濯物を拾って洗ってもらえる
- 自分のものは放っておいても自分のもとへ返ってくる
- 学校や習い事までの送迎
- ごはんは上げ膳据え膳
- 必要なものの買い物
などなど、寮生活になるとすべて自分でするか、寮母さんに頼んで手配してもらわなければなりません。
長女も初めて目覚まし時計を使って、朝自分で起きて支度するという経験をしています。また、自分の所持品には名前を書いて、しっかり管理しないと、なくなったら基本的には戻ってこないということを学んだようです。
今まで「お母さんがしていてくれた」というのを実感したようで、少し感謝されるようになりました。
解決力を身につける
寮暮らしになると小さな問題が尽きません。ものがなくなったり、気の合わない人がいたりと、日々様々な壁にぶち当たっているようです。そのつど寮母さんに相談したり、今度からはちゃんとロックのかかる場所にしまっておこうと、対策を練ったりしながら乗り切っています。
家で暮らしているときは、弟や妹をあごで使うボスぶりでしたが、相手のことを考えて「問題の起きないように行動する」という能力も身に着けてきているように思います。
ホリデーで帰宅したとき、何日かするとまたボスが戻ってきますが…
新しい体験ができる
オーストラリアの内陸の田舎の学校ではできないことがたくさんあります。ビーチキャンプやライフセーバーの訓練は、まさにその一つです。
ボーディングスクールは、言ってしまえばビジネスなので、生徒を魅了するアクティビティがたくさん用意されています。
教育においても、やはり質の高い先生が多く、授業も工夫されているので、長女の学ぶ意欲も高まっているようです。これも残念ながら地元の学校では体験できないことの一つです。
テクノロジーを制限してもらえる
長女は中学校7年生までホームスクーリングをしていましたが、日々の生活で私が頭を悩ませていたことの1つが、スマホやパソコンなどのテクノロジーの制限でした。
いつも「ダメ、ダメ」、「そろそろやめなさい!」と言っているのがしんどく、また思春期に入るにつれて、適当な返事をしてスマホを置くものの、気づけばまた触っているということが続き、私にとっても、言われてる本人にとってもストレスでした。
ボーディングスクールではスマホを使える時間がしっかり決まっていて、時間になると回収されるので、長女もスマホやパソコンを使えないときは、なにか違うことをするという習慣がついてきました。
このルール、家だと決めてもなかなか実行・継続できないことよね
長女は、幼少期よく絵を描いていましたが、最近また絵を描いているようです。
何もしなくても、ぼーっとして脳を休ませるのはいいことよね。
面倒なことは寮任せにできる
これは思いがけない親の私へのメリットでした。
学校から日々送られてくる連絡のメールには、
- 来週の行事のこと
- 持ち物
- 集合時間
- 決まり
などなど、学校行事と生徒への指示が書かれています。
それを読んで、
「〇月〇日はどこに何時に行かないといけない」
「あれとこれを準備しないといけない」
と、ホームスクーリングを始める前、子どもたちが学校に通っていたころは、時々パニックになっていましたが、そういう煩わしいことはすべて寮母さんが長女に指示を出してくれるか、長女が自分でメールを確認して行動するので本当にラクです。
私は来週はそんなことがあるのね〜、と気楽にしていられるのが、私にとってのボーディングスクールのメリットです。
思春期の子どもとの健康的な距離感が保てる
こんなことをいうのは親失格でしょうか。思春期の難しい年頃の娘を預かり、しっかり教育してくれるのは何ともありがたいこと、と思ってしまいます。
長女とはよい親子関係を築いていると思っていますが、それでも寮生活になる前は多少ギスギスしたこともあり、親子の会話が難しいなと思うこともありました。
しかし、ボーディングスクールに進学して寮で暮らすようになると、適度な距離を取ることができ、また精神的にも急に成長したので、とても心地の良い親子関係を保てています。
私はつい最近までボーディングスクールに子どもを送ることに対して「難しい年ごろの子どもを他の人に育ててもらう、育児放棄」と思っていたのですが、実際、学生寮で毎日楽しく生活しながら、たくさんのことを学んでいる長女を見て、固定観念に縛られていたな、と思います。
実際に地元の学校に通わせることができなかったり、子どもが高い教育を望んでいるのであれば、ボーディングスクールに送るという決断をするのもまた、親の大事な責任だなと思うようになりました。
子どもの睡眠時間を確保してくれる
これもまた、なかなか自宅では強制できないことの一つです。長女は夜遅くに寝ても、朝起きられるので、早く寝る必要はないと感じていたようです。強制しても機嫌が悪くなるので、私もあきらめていました。
中学生寮では、夜8時45分にはスマホとパソコンが没収され、夜9時15分に消灯しますのでベッドに潜ってスマホをするということもできません。結果的に、長女は夜9時にはベッドにはいり自然と眠るようです。
まだまだ成長真っ最中の子どもなので、しっかり睡眠時間をとれることは、親としても安心ですよね。
オーストラリア中学寮生活のデメリット
とはいえ、オーストラリアのボーディングスクールはメリットばかりではありません。
中学生で子どもをボーディングスクールに送るデメリットをご紹介します。
親を必要としている時にそばにいられない
思春期で反抗的な態度を示す年頃ですが、だからこそ親が必要な時も多い年頃だとも思います。
友達関係が世界の中心の年頃、ささいなことで落ち込んだり悲しくなったりすることもある時期ですよね。
そんな時、親がそばにいて話を聞いてあげられないというのは、もどかしいです。
ときどき寮に訪ねて行って、様子を伺うということもできますが、「親を必要としているタイミングを見計らって行く」というのはなかなかのスーパーパワーが必要ですよね。
寮母さんと良い関係を築いておくことがかぎかなと思います
子どもの成長を見逃す
たとえば、去年までマラソンが走れず、いつも歩いていた長女ですが、1学期に開催されたマラソン大会では学年で4位になりました。
意味が分かりません
いつどこでその体力を付けたのか、マラソンを走り切るという精神力を身に付けたのか疑問です。
1学期はイースターホリデーと秋休みの2回帰宅しましたが、帰宅するたびに精神的に成長しているのを感じ、「いつの間にか大人になってしまう」という気持ちはぬぐえません。
子どもの様子がわからない
先ほどの「親が必要としているときにそばにいれない」に関連しますが、やはり子どもの様子がわからないというのは、デメリットです。
口では楽しくやっているというけれど、その表情やしぐさまでを観察できないので、本当に元気なのか、うまくやっているのかがわからないのは、私の心を穏やかにしないことの1つです。
寮母さんに時々連絡を取ったり、定期的に長女と連絡を取ったりして様子を伺うしかないですね。
これもバランスが難しいところです
お金がかかる
ナンバーワンデメリットになるのではないでしょうか。ボーディングスクールはビックリするほどお金がかかります。上記であげたメリットをすべて考慮すれば、このぐらいのお金はかかるかもしれない、と納得はできますが、それにしてもびっくりするぐらい銀行のお金が減っていきます。
子どもがボーディングスクールに通っている間は、日本の一時帰国はお預けかも…。
ボーディングスクールにかかる費用についてはこちらの記事を参考にしてください。
13歳からの寮生活は早すぎる?
13歳からの寮生活は早すぎると感じる子もいれば、準備ができている子もいるといったところでしょうか。子どもは順応する力があるので、その状況に入れば親の心配をよそにどんどん成長していくのは確かです。
親との適度な距離を心地よいと思う子もいれば、まだ親と一緒でないと不安という子もいますので、子どもが嫌がるのならまだ早いかなと思います。
同世代の子どもたちと毎日ワイワイ楽しそうですが、集団生活はやはりストレスのかかることです。オーストラリアのボーディングスクールは、何年生からでも、何学期からでも入学が可能なので、焦る必要はないでしょう。
まとめ
8年生(中学2年生)からボーディングスクールに進学した長女が、1学期を終えてみて、私は長女にとって、ボーディングスクールはメリットのほうが大きいと感じています。
今回の記事をまとめると
家庭の経済環境がゆるし、子どもが挑戦したい!というならば、全寮制中学校(ボーディングスクール)を選択肢に入れてみるのもよいかと思います。
オーストラリアのボーディングスクールについてご質問がある方はコメント欄にお気軽にお聞かせください。
今回の記事が、お子さんの進路に悩まれているパパ・ママさんのお役に立てればうれしいです。
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