オーストラリアのボーディングスクール(全寮制中高一貫校)に子どもを通わせるつもりで、漠然と貯金しているけど、どこを目標にしたらいいのか知りたい、今からいくら貯めておけばいいのかわからない、と悩んでいませんか。
漠然と大きい費用がいるという情報だけで、いくら準備しておけば安心なのか分からないと、不安で落ち着きませんよね。
この記事では、2024年の今年、中学校8年生からボーディングスクールに長女を入学させた3児の母の私が、ボーディングスクールにかかる総額費用と、入学前に準備しておきたい費用をご紹介いたします。
この記事を読むと、学費費にいくら位貯めておけばいいのかがわかり、教育費を貯めるゴールが設定できます。
将来子どもをボーディングスクールに入学させるつもりのママが、学費貯金計画をたてるときのヒントになればうれしいです。
【体験談】オーストラリアボーディングスクール6年間の費用
オーストラリアのボーディングスクールは一般的に中高一貫で、何年生からでも転入することができるので、費用は何年生から通うかで大きく変わります。
また、ボーディングスクールには、公立、カトリック、プライベートと3種類があって、授業料の値段が大きく異なりますが、それ以外はほとんど変わりません。
この記事では、プライベートのボーディングスクールのお話をしますが、公立、カトリックの学校は、授業料を各学校のものと照らし合わせて、参考にしてください。
まず中高一貫のボーディングスクールが6年間でどのくらいかかるのか、見てみましょう。
6年間の授業料と寮費
長女が通っているボーディングスクールを例に、7年生(中学1年生)から高校卒業まで、6年間この学校に通う場合の費用を説明しますね。
7年生から高校卒業までの6年間でかかる費用は、以下のとおりです。
- 授業料: およそ$148,820(約1,488万8,200円)
- 寮代: およそ$165,560(約1,655万6,000円)
- 合計: およそ$314,380(約3,143万8,000円)
学費 | 寮費 | |
7年生 | $20,880 (約208万8,000円) | $24,960 (約249万6,000円) |
8年生 | $22,360 (約223万6,000円) | $24,960 (約249万6,000円) |
9年生 | $25,480 (約254万8,000円) | $28,640 (約286万4,000円) |
10年生 | $26,400 (約264万円) | $28,640 (約286万4,000円) |
11年生 | $26,400 (約264万円) | $29,560 (約295万6,000円) |
12年生 | $27,300 (約273万円) | $28,640 (約286万4,000円) |
合計 | $148,820(約1,488万2,000円) | $165,560(約1,655万6,000円) |
驚愕な額ですよね。信じられないです。
6年間通わせるとなると、家が一軒買えてしまうほどの値段ですね。
この額にプラスして制服代や、スポーツ、課外授業などの費用もかかってくるので、予算は多めに見積もったほうがよさそうです。
気を付けておきたいのが、教育分野はインフレが起きやすいことです。今出しているこの値段は、5年後次女が通うときには同じ額ではないと思います。
これだけのお金を、「じゃあ今年からボーディングスクールだから、はい、これ450万円」とポンと出せる家庭はあなかなかないですよね。
わが家も、公立の学校に通わせる気満々だったので、急な進路変更でとまどっています。
もしもの時のためにコツコツ貯めておけばよかったね!
学校によって、経済的サポートを提供している場合があります。
前の年の確定申告(タックスリターン)などの資料を提出して手続きを取ると、学校側が学費や寮費を何パーセントか免除してくれるシステムです(家庭の経済状況による)。
毎年更新しなければいけないので、経済状況のよっては、受けられない場合もあるので注意が必要。
わが家も今年はこのサポートを受けられました。
ボーディングスクール入学時点で確保しておきたい金額
理想を言ってしまえば、ボーディングスクール入学時点で、卒業までに必要なお金が銀行に入っていたら、心穏やかにボーディングスクールにいどめたのだろうなと思います。
少なくとも、6年通うのであれば5年分は準備しておいて、最後の1年分は通っている5年間で貯めると言った感じにしておくと、安心して入学させることができるでしょう。
どちらにせよ、通わせる年数と金額を把握して、入学するまでにはその額にできるだけ近い額があるとよいですね。
オーストラリアボーディングスクール学費の計画的な貯め方
オーストラリアのボーディングスクール費用、こんなにたくさんのお金をどう工面しようかと、悩んでばかりもいられませんので、ここからは具体的な策をたてていきます。
まずは子どもたち3人をボーディングスクールに送るために必要な額と、猶予期間を計算しました。
ゴールをたてる
まずはゴールをたてます。
貯めたい金額のゴールをたてるために、必要な金額を把握します。
何年生でボーディングスクールに入学して、何年間在学するかを決めます。そして入学まであとどれくらい猶予があるのかと、どのくらい費用が必要なのか見当をつけます。
各年で必要な金額
夫 | 妻 | 長女 | 息子 | 次女 | ライフイベント | 必要な額 | ||
2024 | 40 | 40 | 14 | 12 | 9 | 長女ボーディングスクール入学 | $20,000 | |
2025 | 41 | 41 | 15 | 13 | 10 | $40,000 | ||
2026 | 42 | 42 | 16 | 14 | 11 | 長男ボーディングスクール入学 | $75,000 | |
2027 | 43 | 43 | 17 | 15 | 12 | $75,000 | ||
2028 | 44 | 44 | 18 | 16 | 13 | 長女卒業 | $40,000 | |
2029 | 45 | 45 | 19 | 17 | 14 | (長女大学入学)次女ボーディングスクール | $75,000 | |
2030 | 46 | 46 | 20 | 18 | 15 | 長男卒業 | $40,000 | |
2031 | 47 | 47 | 21 | 19 | 16 | (長男大学入学) | $40,000 | |
2032 | 48 | 48 | 22 | 20 | 17 | 長女独立 | $40,000 | |
2033 | 49 | 49 | 23 | 21 | 18 | 次女卒業・(長男大学卒業) | $40,000 | |
合計 | $485,000 |
子どもたち3人がボーディングスクールを卒業するまでの費用予算はおよそ$485,000(約4,850万円)でした(学費と寮費のみ)。
この金額に制服や、スポーツなどの予算を1人$5,000(約50万円)ずつプラスしておきます。そうすると、全部で$500,000(約5,000万円)です。
学費と寮費以外の費用についてはこちらに詳しく書いています。
- この金額は経済サポートを受けた後の金額で計算しています。
- 長男と次女の費用は兄妹割引が適用された値段です。
- 自分たちの年齢を入れることで、何歳まで頑張ればいいのかわかるので精神的によいです。
ボーディングスクールの費用の仕組みについての詳しい記事はこちらから
さて、5,000万円、開いた口がふさがらないお値段ですが、ゴールが決まりましたので、あとはどうにかこうにか貯めるだけです!
銀行を最大限に活用する
私はファイナンシャルアドバイザーではないので、おすすめはできませんが、もしも私がもっと早い段階で子どもの学費をためる必要性に気付いていたら、投資信託などを利用して効率よくボーディングスクール費用を貯める手段も考えていたと思います。
しかし、長女はもうすでに通ってしまっているし、下の子たちの入学までも、もう時間がないので、わが家の場合はリスクゼロの銀行口座に入れておくのが良策です。
オーストラリアの銀行は2024年現在、5%以上(しかも複利!)と金利がとても高い銀行もあるので、ご家庭に合った銀行口座を探して、高金利を受け取りながら貯めていくのがよいですね。
しかし、住宅ローンがある場合は話は別です。
オーストラリアでは結婚したら割とすぐにマイホームを購入しますよね。この住宅ローン、学費を貯める時にはちょっとくせ者なんです。
貯金の利息が高いということは、ローンの利子はもっと高いので、子どもの学費を一方で貯めながら、もう一方で貯めているお金につく利息以上のローン利子を取られることになってしまうからです。
それでは効率が悪いので、わが家ではオフセット口座を最大限に利用しています。
オフセット口座とは、住宅ローン口座にリンクした口座で、オフセット口座に入っている金額は返済分とみなされて利子がつかない仕組み。
一般口座のように必要な時に引き出すことができるので、ローンの利子を少しでも抑えるのにとても便利。
わが家ではオフセット口座に全財産額入れておいて、必要な額だけ引き出しながら、学費をためていく手法をとっています。不便な点は、その口座の中にある現金の管理をエクセルやスプレッドシートなどでしないといけない点です。
理想を言えば、別々に教育費をためておくのが一番だと思うのですが、住宅ローンの利子は貯蓄につく利息に比べて高いので、わが家はそういった方法をとっています。
まとめ
教育費は子どもが生まれたその日から準備しておくのがよさそう、というのはわかっていただけたでしょうか。
わが家のように、公立に通わせるつもりでいたのに、ボーディングスクールに進路が急に変わってしまった、ということも起こりうるかもしれません。念のために「教育費」としてお金を貯めておくことは良策かと思います。使わなかったら老後に回せばいいわけですしね。
今までそんなこと考えていなかった!というかたも、今からゴールを決めてコツコツ貯めていきましょう。
このやり方が正しいのかどうかはわかりません。わが家の一例に過ぎませんので、ぜひご家庭にあったやり方を見つけてくださいね。
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