オーストラリアのボーディングスクールにはたくさんの利点がある一方で、その対価は家計を揺るがすほどです。
可能ならば、費用を安く抑えられる公立のボーディングスクールに進学してほしい。
そう願いますよね。私もそうです。
この記事は、
- オーストラリアの公立ボーディングスクールの面接の現状を知りたい
- 公立ボーディングスクールの面接対策をしたい
そんな方に向けてこの記事を書いています。
この記事では、去年の年末に小学5年生だった息子が公立ボーディングスクールの面接を受け、完全に準備不足で不合格だった経験をもとに、再挑戦への覚書きもかねてみなさんにシェアしたいと思います。
小学校5、6年生のお子さんを持ち、オーストラリアの公立ボーディングスクール(中学校)に入学させたいと考えているママパパは、わが家の面接失敗談を読んで、準備万全で面接に挑んでください。
この記事を読むと、オーストラリアの公立中学ボーディングスクールの面接対策が分かります。
【もう失敗しない!】オーストラリアの公立ボーディングスクールの面接対策
オーストラリアには州ごとにいくつかの公立のボーディングスクールがあり、学費が基本的に無料です。
そのため人気が高く、入学希望者が定員を大きく上回るため、面接や学力テストで入学希望者をふるいにかけます。
ここでは、去年の年末に息子が受けた面接の経験談と、しておくべき対策についてご紹介します。
面接までのタイムフレーム
息子が受験した公立中学ボーディングスクールのタイムラインです。
- 小学校5年
11月11月までに願書を提出 - 11月面接の案内が来る
- 11月~12月面接
- 小学校6年生
3月結果通知 - 5月学力試験
- 8月結果発表
このような流れになっています。
私立のボーディングスクールのように、寮に空いている部屋があり、大きな問題のない生徒ならば簡単に入学できるシステムではありません。
私立のボーディングスクールは、言ってしまえば早い者勝ちです。
公立学校は政府が運営しているので、規定が厳しいです。
願書の提出日など1日でも1分でも遅れてしまうと、基本的に受け取ってもらえないので、早め早めの行動がおすすめ。
私も願書提出期限や面接日はカレンダーに大きく書いておいたよ。
面接の様子と聞かれた質問
面接では夫と私、息子の3人が呼ばれ、部屋に入りました。
部屋には校長先生を含め3名の先生が机の向こう側にいて、多少ぎこちない雰囲気で挨拶をしてすぐに面接が始まりました。
驚いたのがその質問の数、そしてスピード。
質問は50個はかるくあったと思います。
次から次へと質問質問質問…
などなど、後から考えてみると、
「自分を理解しているか」
「ある程度自立しているか」
「自分の意見をまとめられるか」を見ていたように思います。
すごい速さで次から次へと質問が飛んできたので、親が助言する暇はありませんでした。
私はドキドキしていましたが、息子はマイペースに知り合いのおじさんと話しているかのごとく回答していました。
この時点で内心、ああ、これは無理だなと思いました。
面接に向けて準備しておくことは?
息子の面接で不合格になった主な原因はシンプルに準備不足です。
以下に近い将来、公立ボーディング中学校の面接を受けるお子さんとママが絶対にやっておくとよいことをまとめました。
わが家と同じ失敗をしないように、ぜひ参考にしてください。
学校のリサーチは抜かりなく!
わが家の志望理由は、費用を考えると公立のほうが絶対いいよね。
この学校に入学したい(させたい)理由が、「公立」だから(授業料がタダだから)、というやる気のない理由でしたので、その学校の本質をほとんど知らず、面接に挑みました。
これがあだになって、息子はほとんど質問にしっかり答えられずに終わりました。
「どうしてこの学校を選んだのか」の質問に「学費がタダだから」と答えたらどうしようと内心ハラハラしていました。
もう一つ忘れてはいけないのが、5年生のNAPLANです。公立中学ボーディングスクールは、面接で生徒を選びますが、NAPLANの成績は大きく影響していると思います。
なぜそう思うのかは、以下の2点からです。
- 願書を出すときにNAPLANの結果の提出を求められる
- 息子と友達5人中、NAPLANの成績が良かった子1人のみ合格
息子はホームスクーリングで、受験するなんて夢にも思っていなかったので、5年生のときに行われたNAPLANは受験しておらず、もちろん成績も持ち合わせていませんでした。
他の3人は勉強が苦手で、NAPLANの成績もあまり良くなかったようです。
この3人の生徒は、スポーツにも積極的で、はきはきとものを言える生徒ですが、それでも不合格になってしまったので、やはりNAPLANの成績は大きいのではないかと思います。
面接には何を着ていけばいい?
面接は私服で行きます。小学校の制服を着てこないようにとの指示でした。
しかし、息子がTシャツ、ハーフパンツにサンダルといった格好で行こうとしたときはさすがにとめました。
そんなにきっちりした格好じゃなくても大丈夫、スーツで来る子供なんていないし、変だよ。
夫の言葉を信じ、靴を履かせて、エリのあるポロシャツを着てもらったのですが、ところがどっこい、私たちの前に面接で待っている生徒も、面接部屋から出てきた生徒もしっかりYシャツを着て、パリッとした長ズボンを履いていました。
もうその時点で私は穴に潜りたい気持ちでした。
同じ学校の面接を受けたママ友いわく、彼女たちの前に面接をした生徒は、スーツを着てネクタイまでしめていたそうです。
服装で合否が左右されないとは思いますが、やはり先生たちにしてみても、印象は変わるものです。子どもも気持ちが少しシャキッとなりますよね。
スーツにネクタイをする必要はないとは思いますが、Yシャツに長ズボンが正解なようです。
オーストラリアの公立ボーディングスクールに不合格だったらどうする?
面接で力及ばずで、合格できなかったけれど、それでもこの学校に通いたい場合何か別の方法はあるのか調べてみました。
学力テスト
不合格通知と一緒に学力テストの日程も送られてきますが、実際にはこの学力テストで合格する確率はかなり低いです。
なぜなら、寮生は面接でほぼ100%決まってしまうからです。
しかし息子が挑戦したいと言うので、NSW州のウェブサイトから選抜高校の練習テスト(Selective high school practice tests)を探し出し、過去問題と練習問題を10日間やりました。
10日間のラストスパートの勉強をして、先月5月にテストに挑みました。
寮は部屋数が決まっているので、入学辞退者が出ない限りは、テストの点数がいくら良くても入寮することは出来ませんが、テストを受けたことは良い経験になりました。
途中から転入する
また、学力テストでも力及ばずだった場合(もしくは、好成績でも空きがなかった場合)で、それでもこの学校に入りたいときにできる対策を考えてみました。
- 7年生の途中から転入生として入る(退学する生徒がいるかもしれないから)
- 8年生から転入する(退学または転校する生徒がいるかもしれないから)
ボーディングスクールは規制がとても厳しいところです。多少の事では退学にならなかった小学校とは違い、割と簡単に退学処分させられてしまいます。
また、特に公立のボーディングスクールは大人数で部屋をシェアするので、入寮したはいいけど、「ここで暮らしていくのは無理」と、去っていく生徒も出てきます。
そこを狙って、と言うと聞こえが悪いですが、学校に学期の途中で連絡を取ってみたら、転入できたと数名のママ友が言っていました。
逆に退学になった話もよく聞きますが…
学校に問い合わせる
そして、7年生からどうしてもみんなと一緒に入学したい場合は、めげずに入学辞退者がいないか学校に電話して確認すると効果的です。
あるママ友はこの方法で、子どもを公立ボーディングスクールに7年生で入学させたと言っていました。
彼女は3月に結果が出てから、定期的に何回も電話して、空きが出てないか聞いたと言っていました。
まとめ
オーストラリアの公立中学ボーディングスクールの面接対策と体験談についてお話ししました。
記事をまとめると、
特に、その学校を良く知り、5年生のNAPLANに力を入れておくとよいです
もしも、力及ばずだったとしても、割と臨機応変に対応してくれるのがオーストラリアのいいところ。
私のママ友のようにめげずに電話をかけるのも、1つの方法です。
もしも何をしてもダメなら、それはきっと、その学校が子どもにとって今進む道ではないのだと思います。明るい道が開けるのを信じて、前に進むのもまた1つの道ですよね。
わが家は今回は残念な結果になってしまいましたが、また今年この教訓をもとに挑んでみようかと思います。そしてこの記事が、公立中学校ボーディングスクールの面接対策のお役に立てることを願っています。
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